top of page

​絵葉書の場所のこと

作/共同プロデュース:み群杏子

劇団大樹の川野さんとの付き合いはもう10年以上にもなります。2005年の「ポプコーンの降る街」に始まって、「月と語りとアンサンブル」「ひめごと」「森蔭アパートメント」「マダムグラッセの家」「カスタネットの月」「灯屋・うまの骨」とコンスタントに私の本を上演していただいています。どの舞台も完成度が高くお客様も満員。作品を愛し真摯に立ち向かっていく川野さんの情熱と行動力に、私はいつも感心させられっぱなしです。

 

書くことでしか芝居に関わらなかった私が、星みずくというユニットを立ち上げ、一から芝居つくりに挑戦してみようという気になったのも、川野さんの影響が大きいです。でもやってみて初めて、一人で芝居をプロデュースするということの大変さを思い知らされました。とてもじゃないけど川野さんのまねはできません。今回は川野さんとの初めての共同プロデュースです。大阪に住む私が関われることは微力ですが、今は川野さんと一緒に芝居を作れるということのわくわく感でいっぱいです。今回の作品のもとになる本は15年以上も前に書かれたものです。とても好きな作品でしたが、上演台本が一冊残っているだけでした。それを川野さんが舞台に向けデータ化してくれました。今、その作品を書き直しています。

 

大樹さんの舞台で私がいつも楽しみにしているものが花美術と生演奏です。花美術は大胆かつ独創的で驚くばかり。生演奏の方は今回はギターだそうです。花美術を物語に生かせられないか、ギターを人物の思いとリンクさせられないか、書き直しながらいろいろとアイデアが拡がります。今回は観る楽しみに加えて共同プロデュースの責任もあります。川野さんと一緒にがんばります!

子供の頃から詩や童話を書いていたが、1991年、戯曲「恋心のアドレス」が、文化庁舞台芸術創作奨励賞佳作を受賞し“劇作家”として活動を開始する。1992年にも「ポプコーンの降る街」が同賞を連続受賞。その後、Kiss-FM「Story for Two」のレギュラー執筆を担当。言葉のニュアンスを大切にしたポエティックな作風が特徴。生の悲しみおかしみを根底に持つ独特の作品世界を展開。2002年には、初の戯曲集「微熱の箱」が出版される。現在、自作をプロデュースするリーディングユニット「星みずく」を主宰。日本劇作家協会会員。今公演は劇団大樹との初の共同プロデュース。

bottom of page