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​上演によせて

 演出:金澤眞(独騎の会)

「劇団大樹」の川野誠一座長との出会いは、20年ほど前。 私と川野さんが、偶然同じ舞台に客演させて頂いた、と言うところから始まり、しばらくして私の「独騎の会」の公演『ひとごろし』で、主人公を演じて頂きました。 その素晴らしい演技者としての技量と、人柄に惚れ、『ひとごろし』はその後の再演でもご一緒してくださり、様々お世話になってまいりました。 そのご縁で、み群杏子さんの戯曲での大樹公演を、続けて観劇させて頂いております。 み群戯曲が描く空想的で詩的な世界で、個々の登場人物達が、生々しい感情や業を絡ませつつ、ネガティブな想いも肯定して明日へ向かおうとする生き様に、観劇する度、私の申し訳ないような過去が、手前勝手に肯定され、勇気づけられて参りました。 数年前からは、主宰させて頂いている演技教室で、み群さんの作品をテキストに使用させて頂いたり、発表会の演目にさせて頂いたりしておりますが、み群杏子さんの作品の奥の深さに折に触れ気づかされる毎日です。 戯曲と言うものは、私が言うに及ばず、文学の領域で、一つの芸術です。それを文字から行為へ、別の表現に置き換える時に、その作業監督が、いかに戯曲の行間に感銘し得ているか?が大切なのではないかと思っています。自分が演出させて頂けることになり、思い思いに自由な感想を抱いて良い観客の立場から、確信犯的に一つの思いを発表する側の立場になり。幸せに緊張いたしております。 また日々新たな発見を積み上げて、皆様と公演を楽しみたいと思います。 『ポプコーンの降る街』よろしくお願いいたします。

金沢まこと_edited.jpg

28歳で会社員を辞め俳優に転身。サンレモ演技スクールやアンダーグラウンド劇団にて修行。「お前に俳優は向いていない」と師匠から言われ続けながらも修行を続行。33歳で制作、演出、殺陣、主演を務める舞台を今はなき劇団、大江戸捜査動乱隊で製作し、師匠より「好きなら続けろ」の言葉をもらう。その後、国を越えた様々な演劇家のワークショップに参加、舞踏、薩摩琵琶、謡いの訓練も行い続けるなど、演劇者としての模索を続けている。

現在は演劇制作「独騎の会」「シンゲキダン」主宰。
作・演出・出演を兼ねながら、若手俳優の養成に携わる。
俳優としてはCM、映画、舞台などで活躍。

2023年、川崎市の実家を念願のアトリエに改築。
都内、横浜で行ってきた演技や殺陣のワークショップを川崎市でも行っていく。

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